小学校3・4年 / 総合・情報モラル / 45分

身の回りのAIさがし

家や町の道具の中から「AIが使われていそうなもの」をさがし、AIはたくさんの例から学んで見分けたり選んだりする仕組みだと知ります。便利さと気をつけたいことの両方を考えます。

授業時間
45分
人数
4人組
端末・AI
使わない
更新日
2026-10-01

この授業で目指すこと

対象:小学校3・4年 教科等:総合的な学習の時間、学級活動、情報モラルの時間 時間:45分

  • AIは「たくさんの例から学んで、見分けたり、選んだり、作ったりするコンピューターの仕組み」だと、自分の言葉で言える。
  • 身の回りの道具を、「決まったきまりどおりに動くもの」と「例から学んで見分けるもの」の違いに目を向けて分けられる。
  • AIの便利なところと、気をつけたいところ(まちがえることがある、自分の記録や声・写真が使われることがある)の両方を考えられる。
授業者へ:どの製品にAIが使われているかは、製品やサービスによって違い、外から見ただけでは分かりません。この授業では「正解を当てる」ことより、「どうしてそう思ったか」を説明し、「わからない」を大切にすることをねらいます。教師も、特定の製品名を挙げて断定しないようにしてください。

準備するもの

  • 児童用ワークシート(A4 1枚):12枚の「AIさがしカード」と書きこみ欄があります。カードとして使う場合は、切り取って班に1組配ります。
  • 黒板に「AIが使われていそう」「AIではなさそう」「わからない・調べたい」の三つの場所をつくる。

端末:不要です。AIサービス:使いません。スライドはありません。板書で進めます。

45分の進め方

  1. 導入:「AI」って聞いたことある?

    どこで聞いたか、どんなものだと思うかを自由に出し合う。出てきた言葉を板書に残す。

  2. ミニ説明:AIは例から学ぶ

    「ネコの写真をたくさん見せると、初めて見る写真でもネコかどうかを見分けられるようになる」という例で、AIを「たくさんの例から学んで、見分けたり、選んだり、作ったりする仕組み」と説明する。電卓のように「決まったきまりどおりに動くもの」とくらべる。

  3. 活動1:AIさがしカードを分けよう

    4人組で12枚のカードを「AIが使われていそう」「AIではなさそう」「わからない・調べたい」に分け、ワークシート1に記号を書く。理由を一言ずつ言ってから置くルールにする。

  4. 共有:分け方の理由をくらべる

    班ごとに分け方が違ったカードを取り上げ、理由を発表させる。「例から学んで見分けている?」「決まったきまりで動いている?」の二つの問いで整理する。製品によって違うものは「わからない」に置いてよいことを確認する。

  5. 活動2:便利なところ・気をつけたいところ

    「おすすめ」と「話しかけるスピーカー」を例に、便利なところと気をつけたいところをワークシート2に書く。

  6. 振り返り

    ワークシート3「家で見つけてみたいAI」「AIを使うとき気をつけたいこと」を書く。家でさがすときは家の人といっしょにし、設定は勝手に変えないことを伝える。

教師の発問と想定される反応

発問想定される反応つなぎ方
AIって、どんなもの?ロボット/しゃべる機械/なんでも知っている。形のあるロボットだけでなく、スマートフォンの中のアプリにも使われている。なんでも知っているわけではない。
自動ドアはAI?勝手に開くからAI/センサーだからちがう。「自分で学んで見分けている?それとも、決まったとおりに動いている?」と問い返す。
班で分け方が違ったのはなぜ?使ったことがあるものと、ないものがあった。外から見ただけでは分からないことがある。分からないときは、説明書や作った会社の説明で確かめる。
「おすすめ」の便利なところと、気をつけたいところは?好きな動画がすぐ見られる/ずっと見続けてしまう。自分が見た記録から選ばれている。時間を決める、ほかのものも見てみる。
話しかけるスピーカーで気をつけたいことは?聞きまちがえる/声が記録される。まちがえることがある。家の人と使い方を決める。

カードの答えのめやすと解説

製品によって違うため、次はめやすです。児童が理由を言えていれば、別の場所に置いても認めます。

カードめやす説明のポイント
① 話しかけると天気を教えてくれるスピーカーそう声を聞き分けて、何をたのまれたかを判断する仕組みにAIが使われていることが多い。
② 写真をとるとき、顔を見つけてピントを合わせるカメラそうたくさんの顔の例から学んで、顔を見つける仕組みが使われていることがある。
③ 動画サイトの「おすすめ」そう見た動画などの記録から、好きそうな動画を選ぶ仕組みにAIが使われていることが多い。
④ ことばをほかの国のことばに直すほんやくそうたくさんの文の例から学んだAIが使われていることが多い。
⑤ 人が近づくと開く自動ドアなさそう多くは、センサーが人を感じたら開くという決まったきまりで動く。
⑥ 電卓なさそう決まった計算のきまりどおりに答えを出す。
⑦ 道案内をしてくれる地図アプリわからない道順の計算は決まった方法でもできる。混み具合の予想などにAIを使うものもある。
⑧ 決まった時間にごはんがたける炊飯器なさそう/わからないタイマーは決まったきまりで動く。製品によっては「AI」をうたうものもあるので、説明書で確かめる。
⑨ 部屋を自動でそうじするロボットわからない決まった動きをするものも、部屋の形や物を見分けるものもある。製品によってちがう。
⑩ 迷惑メールを自動で分けるメールそうたくさんのメールの例から学んで、迷惑メールらしさを見分ける仕組みが使われていることが多い。
⑪ 時間で色が変わる信号機なさそう多くは決まった時間やきまりで切り替わる。
⑫ 文章や絵を作ってくれる生成AIそうたくさんの文章や絵から学んで、新しい文章や絵を作るAIそのもの。

困ったときの対応

  • 特定の商品名やゲーム名で盛り上がるとき:「それは、何を見分けたり選んだりしている?」と仕組みに話を戻します。
  • 家にスマートフォンやスピーカーがない児童がいるとき:家庭の持ち物を比べる活動にしないよう、カードの道具について考えることにとどめます。
  • 「AIはこわい」「AIはなんでもできる」と極端な意見が出たとき:カードを使って、便利なところと気をつけたいところの両方があることを確かめます。
  • 答えを知りたがる児童:「作った会社の説明や、取扱説明書に書いてあることがある」と、確かめ方を伝えます。

評価の観点

観点十分満足おおむね満足
知識・理解AIが例から学んで見分ける仕組みであることを、カードの例を使って説明できる。AIが身の回りの道具に使われていることがあると分かる。
思考・判断「決まったきまり」か「例から学ぶ」かを手がかりに、理由をつけてカードを分けている。分からないものを「わからない」に置ける。理由を一つ以上つけてカードを分けている。
態度便利なところと気をつけたいところの両方を、自分の生活と結びつけて書いている。気をつけたいところを一つ書いている。

個人情報・著作権・年齢条件・事実確認の注意

  • 個人情報:家で使っている機器やアカウント、家族の名前を発表させません。「おすすめ」やスピーカーは、見た記録や声などの情報を使うことがあると伝え、使い方は家の人と決めるよう話します。個人情報保護委員会は、生成AIサービスへの個人情報の入力について注意を公表しています。
  • 著作権:カード⑫の生成AIで作った文章や絵の扱いは、5・6年生向け教材「AIでかいた絵はだれのもの?」で扱えます。
  • 年齢条件:主要な生成AIサービスは、小学生が自分のアカウントで単独に使うことを想定していません。OpenAIの利用規約は13歳以上(18歳未満は保護者の許可が必要)、MicrosoftのCopilot利用規約は少なくとも13歳以上としています。GoogleのGeminiアプリは、13歳未満の場合、保護者がファミリーリンクで管理するアカウントでアクセスを有効にする必要があります。条件は変わるため、授業の直前に最新の利用規約を確認し、学校設置者の方針と保護者の理解を前提にしてください(2026-10-01確認)。
  • 事実確認:どの製品にAIが使われているかを、教師が推測で断定しないでください。児童から質問があれば、取扱説明書や提供元の説明で確かめる方法を示します。

保護者・管理職への説明

この授業は、端末や生成AIサービスを使わず、カードを分ける活動で、身の回りの道具にAIが使われていることがあると知る授業です。ご家庭で「AIさがし」をする場合は、お子さんといっしょに取扱説明書や画面の説明を見ていただき、機器の設定は保護者の方が管理してください。

根拠と参照資料

文部科学省ガイドラインは、検索エンジンなど普段使う道具に生成AIが組み込まれ、児童生徒が意図せず出力結果を使っている可能性を指摘し、発達の段階に応じて生成AIの仕組みの理解を含む情報活用能力の育成を一層充実させる必要があるとしています。小学校段階では直接の利活用に慎重な見極めが必要としているため、本教材は端末を使わない形で設計しました。

版と利用条件

教材版:1.0(ATM-ELEM-103)/更新日:2026-10-01/一次資料の確認日:2026-10-01。

CC BY-NC 4.0。出典を表示し、非営利目的で改変できます。詳細は利用条件をご覧ください。学校や地域の方針に合わせて、発問や例を変えて使ってください。