小学校5・6年 / 学級活動・道徳・情報モラル / 20分

AIに相談していい?人に相談すること

AIはいつでもやさしく返事をしてくれるように見えます。でも、あなたのことを知っていて、助けに来てくれるのは人です。8つの場面を分けながら、AIとのちょうどよいきょりを考えます。

授業時間
20分
人数
個人
端末・AI
使わない
更新日
2026-10-01

この教材で目指すこと

対象:小学校5・6年 教科等:学級活動、特別の教科 道徳、情報モラルの時間(朝の時間や帰りの会など20分の時間) 時間:20分

  • AIは、やさしい言葉で返事をすることがあっても、自分のことを知っていて、責任をもって助けてくれる相手ではないことに気づく。
  • 命や体、いじめ、こわいことなど大事なことは、家の人・先生・相談窓口など人に相談すると決められる。
  • AIを使うときは、名前や友達の秘密を入れない、家の人や先生といっしょに使うなどの約束を言える。
授業者へ:児童に自分の悩みを発表させる教材ではありません。場面はすべて架空です。授業中や授業後に気になる様子が見られた場合は、全体で取り上げず、個別に声をかけ、学校の相談体制(学年・管理職・養護教諭・スクールカウンセラー等)につないでください。

準備するもの

  • 児童用ワークシート(A4 1枚):8つの場面と書きこみ欄、相談窓口の案内があります。
  • 学校や地域の相談窓口の連絡先(必要に応じてワークシートに書き足す)

端末:不要です。AIサービス:使いません。

20分の進め方

  1. 導入:困ったとき、だれに相談する?

    「困ったとき、だれに相談する?」と問い、家の人、友達、先生などを挙げてもらう。具体的な悩みは言わなくてよいと最初に伝える。「最近はAIに相談する人もいる」と紹介する。

  2. 活動:8つの場面を分けよう

    ワークシート1。一人で、8つの場面を「AI(AIに聞いてもよさそう)」「人(人に相談する)」「両方」に分ける。

  3. 共有:三つのめやす

    分け方が分かれた場面を2〜3個取り上げて理由を聞き、三つのめやすにまとめる。①命・体・安全、いじめやこわいことは、すぐに人へ。②AIの答えはまちがうことがあり、あなたの事情を知らない。大事なことを決める前に人へ。③名前・住所・友達の秘密は入れない。AIは家の人や先生といっしょに使う。

  4. 振り返り:わたしの相談できる人

    ワークシート2・3。「相談できる人」を書く(書けない場合は、ワークシートの相談窓口を指す)。24時間子供SOSダイヤルを紹介する。

教師の発問と想定される反応

発問想定される反応つなぎ方
AIに相談するよさは?いつでも返事をくれる/おこられない/はずかしくない。そのよさは認めつつ、「AIは、あなたの顔や様子を見ていない」ことに目を向ける。
場面4(頭がいたい)は、AIでいい?すぐ答えてくれる/まちがっていたらこわい。体のことはAIの答えで決めない。家の人や保健室の先生に。
場面5(だれにも言えないなやみ)は?AIなら言えるかも/先生に言う。言いにくいときは、相談窓口もある。AIは、助けに来たり、まわりの大人に知らせたりすることができない。
場面8(やめられない)は?自分で決めればいい/家の人に相談する。使う時間やきまりは、家の人と決める。

場面の考え方のめやす

理由が言えていれば、めやすと違っても認めます。ただし、場面4・5・6は「人」に相談することを必ず確認します。

場面めやす説明のポイント
1 漢字の読み方がわからない。AI家の人や先生といっしょに使うなら、聞いてもよさそう。辞書でも確かめる。
2 自由研究のテーマのアイデアがほしい。両方アイデアの参考にはなる。決めるのは自分で、先生や家の人とも相談する。
3 友達とけんかして、仲直りの方法を考えたい。両方/人気持ちの整理に使うなら友達の名前は入れない。大事なことは、家の人や先生など人に相談する。
4 頭がいたい。薬を飲んでいいか知りたい。人体のことは、家の人や保健室の先生、病院に。AIの答えで決めない。
5 だれにも言えないなやみがあって、夜ねむれない。人信頼できる大人や相談窓口へ。AIはあなたの様子を見て、助けに来ることはできない。
6 ネットで知らない人に「写真を送って」と言われた。人(すぐに)送らずに、すぐ家の人や先生に伝える。
7 リコーダーの練習のしかたを知りたい。AI/両方練習方法のヒントは聞いてもよさそう。音楽の先生にも聞ける。
8 AIと話すのが楽しくて、やめられない。人使う時間やきまりを、家の人と話し合う。

困ったときの対応

  • 自分の悩みを話し始めた児童がいるとき:「話してくれてありがとう。あとで先生とゆっくり話そう」と受け止め、全体の場では深めず、授業後に個別に対応します。
  • 「人には言えない。AIのほうがいい」という声:否定せず、「言いにくいときに使える電話や窓口もある」と、相談窓口を示します。
  • 家で生成AIを使っている児童がいるとき:使っていること自体を責めず、年齢の条件があること、家の人と使い方を決めることを伝えます。
  • 相談先として家の人を挙げにくい児童への配慮:「家の人」だけを正解にせず、先生、保健室の先生、スクールカウンセラー、相談窓口など、複数の相談先を示します。

評価の観点

観点十分満足おおむね満足
思考・判断場面ごとに、命・体・安全や、AIが事情を知らないことを理由にして、相談先を選んでいる。場面4・5・6を「人」に相談する場面として選んでいる。
態度自分が相談できる人や窓口を具体的に書き、AIを使うときの約束を言える。大事なことは人に相談すると書いている。

短時間教材のため、ワークシートの記述から見取ります。成績をつける評価には使わず、児童の書いた内容は個人情報として扱ってください。

個人情報・著作権・年齢条件・事実確認の注意

  • 個人情報:悩みや友達とのできごとを、名前つきでAIに入力しないよう指導します。個人情報保護委員会は、生成AIサービスへの個人情報の入力について注意を公表しています。ワークシート2の「相談できる人」は、回収しない、または回収しても掲示しないなどの配慮をしてください。
  • 著作権:この教材は相談の判断を扱うため、著作権の論点は扱いません。作品とAIについては「AIでかいた絵はだれのもの?」を参照してください。
  • 年齢条件:主要な生成AIサービスは、小学生が自分のアカウントで単独に使うことを想定していません。OpenAIの利用規約は13歳以上(18歳未満は保護者の許可が必要)、MicrosoftのCopilot利用規約は少なくとも13歳以上としています。GoogleのGeminiアプリは、13歳未満の場合、保護者がファミリーリンクで管理するアカウントでアクセスを有効にする必要があります。条件は変わるため、授業の直前に最新の利用規約を確認し、学校設置者の方針と保護者の理解を前提にしてください(2026-10-01確認)。
  • 事実確認:相談窓口の番号は授業の前に文部科学省のページで最新のものを確認してください。24時間子供SOSダイヤルは0120-0-78310(2026-10-01確認)です。

保護者・管理職への説明

この教材は、端末や生成AIサービスを使わず、架空の場面を分ける20分の活動で、命や体、いじめなど大事なことは人に相談することを確かめます。児童が自分の悩みを発表することはありません。ご家庭でも、AIを使う時間やきまり、困ったときに相談できる人について話し合っていただくようお願いします。

根拠と参照資料

文部科学省ガイドラインは、教師が専門性を発揮し人間的な触れ合いの中で行うべき教育指導をせずに、生成AIのみに相談させることを不適切な例として挙げ、AIへの過度な依存(自動化バイアス)にも注意を促しています。本教材はこの考え方に沿って、人に相談する大切さを確かめる構成にしました。

版と利用条件

教材版:1.0(ATM-ELEM-105)/更新日:2026-10-01/一次資料の確認日:2026-10-01。

CC BY-NC 4.0。出典を表示し、非営利目的で改変できます。詳細は利用条件をご覧ください。学校や地域の方針に合わせて、発問や例を変えて使ってください。