
この授業でできるようになること
- きまったとおりに動く機械と、たくさんの例から当てるAIのちがいに気づく。
- 例が少ないと当てまちがえることを、あてっこで体験し、AIもまちがえると知る。
- AIを使うときは大人といっしょ、名前や写真を入れない、変だと思ったら大人に聞く、と約束できる。
準備
- 投影スライド(16枚。1回目は1〜10、2回目は11〜16)
- ワークシート(A4両面1枚、人数分。表を1回目、裏を2回目に使う)
- シール(1人3枚ほど。なければ色えんぴつで〇をつける)
- 読み聞かせしやすいよう、子どもを画面の前に集めるか、席を前向きにそろえる
端末と生成AIサービスは使いません。
授業の流れ(20分×2回)
1回目:きまりどおりの機械と、例から当てるAI
- 0–3分
表紙と問い
表紙を見せて題を読み、「ロボットとAIはおなじ?」と聞く。手を挙げさせるだけで、正解は言わない。
今日は、えほんを読みながら考えます。おなじかな?ちがうかな?
- 3–7分
きまったとおりに動く機械
ねじまきロボットのページを読み、何度やっても同じ動きになることを確かめる。電子レンジ・自動ドア・目ざまし時計も「いわれたとおり」だと話す。
ボタンをおすと、いつもおなじ。自分で考えて変えたりはしないね。
- 7–10分
AIは、たくさんの例から当てる
ネコとイヌの絵をたくさん見たAIが、初めて見る絵でも「ねこかな?」と当てる、と読む。
AIは、たくさんの「れい」を見て、当てるのがとくいです。
- 10–15分
あてっこ:先生の「すき」はどれ?
りんご・いちごが「すき」、ピーマン・なすが「すきじゃない」と見せ、さくらんぼはどっちかを当てさせる。手を挙げたら、何を見て決めたかを2〜3人に聞く(「赤いから」「くだものだから」などが出る)。答えは「すき」。先生の本当のきまりは「くだもの」だが、2回目まで明かさない。
れいを見て当てられたね。AIも、こうやって当てています。
- 15–20分
まとめとワークシート1・2
ロボット=からだを動かす機械、AI=例から当てるしくみ、AIの入ったロボットもある、と整理する。ワークシート1で、AIが入っていそうなものを〇で囲む。2は、さくらんぼの答えを〇で囲む。
ロボットでも、AIが入っていないものもあるよ。
2回目:AIもまちがえる・大人と使う約束
- 0–3分
前のおはなしをふりかえる
「AIは何がとくいだった?」と聞き、「れいから当てる」を思い出させる。
今日は、そのつづきです。AIはいつも当たるのかな?
- 3–8分
あてっこのつづき
バナナと赤いピーマンはどっちかを当てさせ、答えを見せる。先生のきまりは「くだもの」。「赤いもの」と考えた子は、ここでまちがえる。まちがえた子を責めず、「4つのれいでは、どっちのきまりでも合っていた」と認める。
赤いもの、と考えたのも、れいにはぴったり合っていたね。れいが少ないと、まちがえることがあります。
- 8–12分
AIもまちがえる
ふわふわの犬をネコとまちがえるページを読む。ワークシート3で、AIの答えに〇か✕をつける(あ:〇、い:✕)。
AIの答えも、ほんとうかな?と見てみよう。
- 12–17分
大人と使う約束
三つの約束を一つずつ読み、「なぜかな?」と短く理由を聞く。ワークシート4で、守れそうな約束にシールを貼る。
AIは、大人といっしょに使う道具です。名前やおうちのことは入れません。
- 17–20分
まとめ
最後のページを全員で声に出して読む。ワークシート5は、家の人といっしょに取り組むよう伝える。
板書のまとめ
黒板に残すこと(2回分)
- きかいいわれた とおりに うごく
- AIたくさんの れいから あてる
- まちがえる こともれいが すくない・みた ことが ない
AI は おとなと いっしょに。へんだな、と おもったら きく。
答えと声かけの目安
- ワークシート1:う(顔を見つけるカメラ)、お(話しかけると答えるスピーカー)、か(花の名前を教えるアプリ)が「例から当てる」もの。あ(電子レンジ)、い(ねじまきロボット)、え(自動ドア)は決まったとおりに動く。ねじまきロボットに〇をつけた子には「ロボットだけど、何かを当てているかな?」と聞き返す。
- ワークシート2:すき。
- ワークシート3:あ(ネコ)は〇、い(犬)は✕。
- 「AIは考えているの?」「AIは生きているの?」と聞かれたら:「たくさんの例から当てる道具で、人や生き物とはちがうよ」と短く答える。人のように話すAIもあるが、心があるわけではないことを伝える。
- 自動ドアやロボット掃除機について意見が分かれたら:正解を一つに決めなくてよい。「当てているかな?いつもおなじかな?」という見方で考えられていれば十分。
詳しい情報
困ったときの対応
- 文字を読むのがむずかしい子がいる:スライドの文は先生が読み上げる。ワークシートは絵を見て〇をつけるだけで進められる。
- 家でAIを使っている、という話が出た:「おうちの人といっしょに使っているかな?」と約束につなげる。どのサービスかを詳しく聞いたり、比べたりしない。
- あてっこで、まちがえて泣きそうな子がいる:「れいにはぴったり合っていたよ」と、考え方が筋道立っていたことを認める。まちがいは、AIも人もする、と伝える。
- 20分におさまらない:1回目はスライド4(機械のページ)を短くし、2回目はワークシート3を口頭の〇✕にする。
評価の観点
| 観点 | 十分満足 | おおむね満足 |
|---|---|---|
| 知識・理解 | 決まったとおりに動く機械と、例から当てるAIのちがいを、自分のことばで言える。 | ワークシート1で、例から当てるものを一つ以上選べる。 |
| 思考・判断 | あてっこで、何を見て当てたかを言え、例が少ないとまちがえることに気づいている。 | AIの答えに〇✕をつけ、まちがえることがあると分かる。 |
| 態度 | 約束の理由を一つ言える。 | 守れそうな約束を選んでシールを貼れる。 |
低学年では、書く量で評価しません。発言、〇の付け方、シールを貼った約束から見取ります。共通の評価ルーブリックも使えます。
この教材の画像について
場面のイラストは、すべて生成AIで作った架空のものです。実在の人物・製品・キャラクターを描いたものではありません。果物・機械・約束の小さな絵は、この教材のために作った図です。
教える側が知っておきたいこと
- ロボットとAIは別のもの:ロボットは体(機械の部分)をもって動くもの、AIは例から学んで当てたり作ったりするしくみです。AIが入っていないロボット(ねじまき、決まった動きだけをする機械)も、体をもたないAI(スピーカーやアプリの中)もあります。
- 「例から当てる」は単純化した説明:実際のAIは、例から見つけたきまりを数の形で持っています。文章や絵を作る生成AIも、たくさんの例をもとに「次に来そうなもの」を当てて作っています。
- あてっこのきまり:先生の「すき」は「くだもの」。1回目は赤い果物しか例にないため、「赤いもの」と「くだもの」のどちらのきまりでも説明でき、2回目のバナナと赤いピーマンで分かれます。
個人情報・年齢条件の注意
- 個人情報:名前、顔写真、住所、学校名などをAIに入れない、という約束は、家庭のスマートフォンやスマートスピーカーにもつながります。
- 年齢条件:主要な生成AIサービスは、小学生が一人で使うことを想定していません。家庭で使う場合も保護者の管理のもとで使うよう伝えます。授業の前に、各サービスの最新の利用規約と学校の方針を確認してください。
保護者への説明
この授業は端末や生成AIサービスを使わず、絵本形式のスライドと「あてっこ」で、AIは例から当てる道具でまちがえることもあると学びます。ご家庭では、ワークシート5のとおり、家の中で「AIが入っていそうなもの」をいっしょに探し、「AIを使うときは大人といっしょ」「名前や写真を入れない」を話題にしていただくようお願いします。
根拠と参照資料
文部科学省ガイドラインは、小学校段階の児童が生成AIを直接使うことには発達の段階をふまえたより慎重な見極めが必要とし、教師が示す例などを通じて基本的な事項を学び、生成AIについて冷静な態度を養うことを重視しています。また、人のようにふるまうAIにふれることで、AIに人格があるかのように誤認するリスクにもふれています。本教材は端末を使わず、「例から当てる道具」「まちがえることもある」「大人と使う」を体験的に学ぶ形で設計しました。
- 文部科学省:生成AIの利用にあたって(学校現場における生成AIの利用について)(2026-10-02確認)
- 文部科学省:初等中等教育段階における生成AIの利活用に関するガイドライン(Ver.2.0、令和6年12月26日)(2026-10-02確認。小学校段階の利活用は17ページ、AIの人格の誤認などのリスクは参考資料)
版と利用条件
画像:場面のイラストは、生成AIで作った架空のものです。
教材版:1.0(ATM-ELEM-106)/更新日:2026-10-02/一次資料の確認日:2026-10-02。
CC BY-NC 4.0。出典を表示し、非営利目的で改変できます。詳しくは利用条件をご覧ください。