アリが迷子にならず巣に帰れる能力から学ぶロボット技術

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アリは、あの小さな身体で、巣から100mぐらい離れた場所までエサを探しに行くそうです。

これは人間の大きさにすると数十kmの距離になります。

グーグルマップ見ながらであれば、人間でも同じことができるでしょうが、何もない状態でそんな散歩していたら、迷子になる人がほとんどだと思います。

なぜアリが巣に帰れるか?というと、大きく2つの能力が関係していると言われています。

まず、「目印をつけながら進む」ということです。

どうやら定期的に地面に「匂い」を付けながら歩いており、それを通ってきた道の目印にしているようです。

これはヘンゼルとグレーテルが、森に入って行く時に、帰り道がわかるようにパンくずを落としながら進んだのと同じです。

もう一つはアリは「進んできた歩数」を記憶しているようです。

この「目印」と「歩数」を組み合わせることで、「Aの目印から10歩先にBの目印があるはず。ない場合は方向が間違っている」みたいに判断しているようです。
(これ以外にも、ある程度目で判断していたり、太陽の方向を見て判断してる、とも言われています)

このアリの能力をロボット研究に活かそうとする研究が進んでいます。

ロボットが決められて道を進むには、GPSやレーダーや地図データなど駆使する必要がありますが、小型のロボットの場合、これらのパーツを組み込むことが難しいという問題ありました。

そのため、ある程度の大きさのロボットなら、自律的な動きをさせられるのですが、小型のロボットを自律的に動かすことは不可能に近い状態です。

その打開策としてアリの能力を参考にするというわけです。

実際にこの技術を使って、56グラムの小型ドローン「CrazyFlie」が、わずか0.65キロバイトのメモリで100メートルの距離を移動できるようになりました。
この研究は、将来的に倉庫の在庫管理やガス漏れの検知など、様々な分野で活用されることが期待されています。

また、農業におけるミツバチの役割を代替できるミツバチロボットが出来れば、農業にも革命が起きるかと思います。

昆虫は、他生物に比べて異常ともいえる特殊な能力を持っていることが多いので、それをヒントに科学が発達することが多いですね!

この研究記事はこちら https://www.tudelft.nl/en/2024/lr/ant-insights-lead-to-robot-navigation-breakthrough