夜空を見上げても、惑星はほとんど見えません。
当然ですよね。
宇宙のほとんどは真っ暗なんですから。
でも、ここにプログラミングと機械学習が入ると話が変わります。
英国ウォーリック大学の研究チームは、NASAのTESSが集めたデータをRAVENというパイプラインで解析し、118個の惑星を新たに検証し、さらに2,000個以上の有力候補を示しました。
惑星は「星の小さな暗さ」で見つかる
TESSは、星の明るさを継続的に観測します。
惑星が星の前を通ると、星の光がほんの少しだけ弱くなります。この変化をトランジットと呼びます。
ただし、暗くなったからといって必ず惑星とは限りません。別の星の影響、観測ノイズ、連星の食など、まぎらわしいものがたくさんあります。宇宙は広いだけでなく、なかなか意地悪です。
RAVENは、候補を探し、機械学習で惑星らしい信号と偽陽性を分類し、統計的に検証する流れをまとめて扱います。
研究では、Gaiaで特徴がよく分かっている220万以上の主系列星を対象に、TESSの最初の4年間の観測データを使っています。
プログラミングは「答えを出す機械」ではなく「見つけ方を作る道具」
このニュースで面白いのは、AIがすごい、で終わらないところです。
大事なのは、人間が「何を信号とみなすか」「何をまぎらわしい例とするか」「どこまで確かめたら候補と言えるか」を設計している点です。
キノコード的には、ここがプログラミング学習のかなり良い教材になると思います。
子どもが最初に学ぶプログラムは、ゲームを作る、ロボットを動かす、といったものが多いです。
でも、その先には、「データから小さな変化を見つける」という世界があります。
キャラクターの動きの変化、玉の軌道、ロボットのセンサー値など一見すると「遊んでるだけやん」と見られがちなものから、季節ごとの売上、広告の効果測定、惑星の挙動などまで、対象は違っても、考え方はつながっています。
自由研究にも近い
惑星探しは壮大ですが、考え方は身近です。
たとえば、1週間の室温を記録して「いつ暑くなるか」を探す。
タイピング練習の結果から「どの文字でミスが多いか」を見る。
ゲームのプレイログから「どこで失敗しやすいか」を調べる。
どれも、ただ数字を眺めるだけでは分かりません。
グラフにする、平均を出す、外れ値を見る、仮説を立てる。
ここにプログラミングやAIが入ると、手作業では見落とす変化を見つけられます。
もちろん、AIが出した候補をそのまま信じるのは危険です。
RAVENの研究でも、候補と検証済み惑星は分けて扱われています。
「見つけた」と「確かめた」は違います。
AIが見つけた後、人間が確かめる。
それで初めて「発見」になります。
これは子どもにぜひ伝えたいポイントです。
まとめ
AIやプログラミングは、便利な答えボタンではありません。むしろ、広すぎるデータの中から「見てみる価値のある場所」を探す双眼鏡のようなものです。
星の明るさの小さな変化から惑星を探す研究は、子どもたちに「データを見る力」の面白さを教えてくれます。プログラミングを学ぶ理由は、コードを書くためだけではありません。世界の変化を、自分で見つけるためでもあります。
参考
University of Warwick WRAP: RAVEN TESS planet validation
NASA: TESS reveals dazzling night sky
arXiv: The T16 Planet Hunt
